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そんな駅の肖像を描く 駅物語
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東田子の浦 (JR東海 東海道本線)
〜 地元の人も感動する美しい富士に出会えた幸運
〜
2001年12月11日、名古屋から東京へ向かっていた。
今回は東海道本線各駅停車でのんびりと景色を楽しみながら乗っていた。
由比を越えたあたりだっただろうか、電車のフロントガラス越しに富士山が美しい姿を見せていた。
この感動を誰かと共感しようと、隣に座っていた女子大生らしき女性に声をかけたらイヤホンで音楽を聴いていて、「は?」という顔でイヤホンを外した。
「富士山いつもこんなにクリアに見えるんですか?」と聞いたら「はい」と愛想はあるけどそっけない返事だった。以前根府川付近の大平洋に虹がかかっていたのを見た時も私は思わず声を出して感動したのだが、みんな意外にクールなのである。それはそうと、これほど美しく富士山が見えたことはなかったので撮影しなくてはと考えた。
駅に停まったところで富士山がきれいに見えていれば下車しようと窓の外の景色に目を凝らした。
その姿は走る車窓にずっと見えているのだが、障害物なく富士山がクリアに見渡せる駅というのは意外とないものである。富士も吉原もダメ、次の東田子の浦がベストだった。
雲ひとつない青空にそびえる富士の威容、あまりの美しさに特撮映画のセットを思い出してしまったのは我ながら情けない。
駅舎はわりと新しい。ステンドグラスを使い壁には富士山を描いたア−ティスティックなデザイン。
残念なことにそのまん中に飲料水の自動販売機が無神経に置かれている。
駅舎内は改装中でベニヤ板が貼られた状態だったが、そのための一時避難だろうか?
撮影が終わってホームで列車を待つ間、地元の老婦人と話をした。彼女は「これだけ美しい富士はめったに見られないので感動している」と言った。そして、この土地のことを彼女自身の生い立ちにからめて教えてくれた。
最後に「富士山があるということは、それだけで自信が持てるわね」と語ってくれた。
おおいなる富士山は人の心に安らぎや力を与えてくれるのだ。
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